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★特 集★
 
◆ ファミリーバイクではない
ビジネス車からの脱却
ネーミングと価値観
 
自転車から発展した二輪車がモーターサイクルと呼ばれるなら
フロアーパネルを持つキックボードから発展した二輪車はスクーターと呼ばれる
この2車は似て非なる考え方の乗り物ではないのか
 
もうファミリーバイクではない    
 右の写真は1980年代のスクーターブームの火付け役を担った「ホンダ タクト」である。下がそれよりも前に発表されたイタリア ピアジオ社のVespa 50sだが、1956年には排気量50ccながら、鋼板プレスボディで、このデザインを実現している。
 アプローチの違いが、モデルデザインにあからさまに出ています。ですが、これが日本国内では大ヒットとなり、良くも悪くも新車300万台時代を牽引していくことになったわけです。
 90年代に入ると様々な要因から原付スクーターは、冬の時代に突入してしまいます。その多くの要因は外的なモノであり、作り手が関与できることではありませんでした。
   1982年に登場したタクト
 さて、右のVespa 50sですが、これは私が初めて乗ったスクーターです。カメラアシスタントとして入った会社の、デザイナーさん所有だったのですが、リアフットブレーキ、グリップ式ギアチェンジと、バイクとは全く違う取り扱いが要求されるのでした。ところが、これ意外と楽しい乗り物で、ときどき都内のお使いに行くときに借りてました。
 意外と早く走れるし、乗り心地も悪くはない。ブレーキはドラムが大きく、リアのフットブレーキを上手に使えば、十分な制動力を得られるのです。
 その後、日本製のスクーターに乗りましたが、ボディ剛性、ブレーキサイズ、タイヤサイズの違いなどに大きな驚きをうけることになりました。
   1979年頃のVespa 50S
 社運をかけたスクーターを創り上げてきたVespaと安くて、手軽で、楽しい乗り物として、開発してきた日本メーカーのスクーター。Vespaというエレガントなスクーターが一方に存在しながら、向かっていく方向はまったく違ったものになっていってしまったようです。
 良くも悪くも、ファミリーバイクと呼ばれる原付スクーターの黄金時代は80年代が終わりを迎える頃に、外的要因から加速度的に販売台数を落としていくことになりました。
 車種も絞り込みが行われ、開発のスピードも落ち、唯一の大きな変化は、ボディの中にヘルメットが仕舞える、「メットイン・スクーター」というものが登場したことです。ただ、これも技術的な革新であって、ビジュアル的にアピールする要素はほとんど感じられず、機能性と開発コストが優先されているようなスタイリングのモデルが繰り返し発表されるだけでした。

 私はこの現状が続く限り「原付一種」というスクーターに、これ以上のユーザーがつくとは考えにくいと思っています。国内では不毛と思える状況にあっては、開発側の担当者も「原付スクーターに飛ばされた」という思いに囚われてしまうことが心配です。
  どんなに、斬新なモデルを登場させようとも、それ自体を所有してもネガティブな要素しか見えてこない。テレビのニュースで交通安全や二輪車の事故を扱えば、必ず映像に出てくるのは原付スクーターですし、交通安全週間になれば、スクーターを止めて交通安全を呼びかけているシーンが映し出されます。それだけの社会状況を80年代後半から現在に至るまでメーカーもジャーナリストも許してきてしまいましたし・・・。もちろん私もその一人ですが。
 この状況において、若年層をターゲットにしたモデルを企画することは、社会的な背景も考慮したものへと、スイッチしていく必要があるはずです。
◆ 現状の10インチホイールを12インチへ
◆ 全体的なフォルムも一回りサイズアップ
◆ スタイリングもカタログなどで見ると、多くが前方から後方へ跳ね上がっていくような面構成となって いますので、もっとゆったりした余裕を感じられるビッグスクーターに通じる面構成を
◆ エンジンが2サイクルから4サイクルへ変更されたことで、マフラー自体の構造やデザインにも、自由 度が出ているはずですから、見せない、見えないようなデザインもあるのでは
◆ ボディも外側と内側で2種類の材質を使い、色もツートーンになっているものを同色にする

 可能な部分から、商品企画のアプローチ方法を早急に変更することも必要なのではないだろうか。そして、50ccスクーターのお手軽コミューターは1機種もあれば十分でしょう。 (文/アキラN)
     
 スタイリング重視型    コスト優先のスポーツタイプ型
 
写真下は大型バイクでトレンドとなっているマフラーの処理
 ショットガンマフラー    スタイリングとバンク角確保でテールカウルに
 
     
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